学生に対してフィルターをかけているのではなく、最大の難関、社長をクリアするための面接スキルアップ作戦を行っているのだ。
学生にとって、この採用担当者はもう味方。
本当の自分を出せるようになるまで何度も面接は続く。
そして見事に勝ち取っていく。
これを素敵な話と捉えるか、邪道と捉えるか、それは考え方の違いだが、少なくともこの会社は急成長している。
告白すると、私も先日、自分の面接した学生に直感を感じ、似たようなことしてしまった。
経営会議の面々がそろう前に、ちょっとしたアドバイスをしたのだ。
この学生、予想以上にそのポイントを理解し、高い評価で通過。
これを連発しすぎるとまずいと思うが、これくらいいいのではないだろうか。
社長は会社でいちばんえらい。
いまは成功者だ。
だが、採用担当として適任というわけではない。
だいたいの社長は自信過剰で、「これだけ金を使えば」「俺がしゃべれば」「この会社はけっこう有名だ」などと思い込んでいる。
まあ、社長はこれでいいのかもしれない。
でも、採用担当者は、社長の指示に右往左往して方向性を失ってしまう。
そのうち自分の意思決定を放棄して、すべてに「おうかがい」を立てるようになる。
採用活動全体のモチベーションとスピードがダウンし、お金がドブヘと消えていく……。
だから、まずは社長を手なずける。
つまり「愛のある提言を社長にする」という意味だ。
採用担当者の言うことは聞かなくても、社長が弱いのは、実は「コンサルタント」。
このコンサルタントから「同業他社はこうやってます」「こういう部分が学生を惹きつけます」「社長はこういう部分を勉強して欲しい」と言ってもらえば、聞く耳を持つはずだ。
私か担当している多くの会社では、採用担当者が社長をどんどん採用のシーンに引っ張り出している。
合同説明会のブースに座らせる、人事担当者セミナーに同行させる、懇親会に参加させる、他社のセミナーに頼んで参加させてもらう、学生の集まりに参加させる。
社長が外を見ることで、いまの学生の多彩な面を知り、採用市場の実情を肌で感じ、他社の社長を見て自己嫌悪に陥り、「俺もやらなきゃ!」という気持ちになる。
そうすれば、社長も素直に担当者の話を聞くようになり、提案にも乗ってくる。
クセになって、集まりといえば参加したがる社長へ変貌したり、逆に引っ込んだりという人もいる。
とにかく担当者は、採用業務がしやすくなって効果てき面らしい。
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